2009.06.22
紫陽花の花が六月の雨に

「信号待ちをする昼休みのオフィスレディー」
オリーブの花はグレープフルーツの香りがする。
それに気づいたのは5月で、
白い干菓子みたいな小さい花が咲いた。
シチリア島の香りはこんなかもしれないなと思った。
実がなるといいなと思ったけれど、
どうもダメみたいだな。
ミツバチが来なかったせいかな。
でも、
庭のブッラクベリーとブルーベリーは豊作の予感で、
ブラックベリーは陽に近いところから嘘みたいに色づいていく。
そのうちに、こないだ買ったシャクヤクを挿し木してみよう。
それから、アナベル。
あこがれのアナベルを植えよう。
それから自転車の錆びを取って、
靴を磨いて、
PCの中の曲を整理して、
麻ひもでコースターを作って、
足りない絵具を買いに行こう。
2009.04.27
とりとめのない気ままなもの

最近は庭に出れば、一番にサクラソウの匂いがする。
サクラソウの匂いは
もう絶対に幼稚園の頃の匂いだなと思う。
幼稚園に行く途中の道沿い、誰かの畑のサクラソウの匂い。
それから、あとは、
雨の朝の匂いが幼稚園の頃の匂い。
雨の朝には、
住宅街の細い坂道の端っこに、小さい川みたいのが出来るから、
アスファルトにねじれるその細い流れを
赤い長靴を履いた足でせき止める。
いつもよりアスファルトの色も匂いも濃い。
母は雨の日には、
紺色と赤のリバーシブルの上着を着る。
いい色の赤だ。
勝手に着てたのかお下がりか、元々父のだったから少し大きい。
それから、
左手に桑畑と遠くに続く茶畑。
雨で緑と土の匂いが濃くて、蚕のことをぼんやり考える。
昔の記憶は
匂いの強さと比例して覚えている気がするけど、
気のせいだろか。
少しは本当な気がする。
2009.03.15
砂糖菓子の街 ひっそりと

あたたかだったり冬に戻ったようだったり、
どうにも春に焦らされて、
そのせいか、
最近はいつにもまして注意力が散漫で、
仕事を終えて
家路を半分くらいまで電車に揺られたころ、
突如としてとても身軽なことにドキリとする。
持っていたのは傘とその日にもらった小さい木箱だけ。
バッグがないよと気づいて
あたふた仕事場に取りに戻ったり、とか。
また
ある朝、
改札までバタバタ走っていると、
お姉さんに追い抜きざまに
「何か落としましたよ」と言われて
振り返ると、
10mくらい後ろの道端に蜜柑がぽつねんと落ちていた、とか。
確実にあれは「蜜柑」だった。
確実にあれは「蜜柑落ちましたよ」だった。
それでも「何か落ちましたよ」と言ったのはお姉さんの優しさだと思った。
バッグから蜜柑をぽとりと落として走ってゆく女の光景は想像すると珍妙。
2009.02.15
うす紫の湯気がゆれる

昨日今日と、人に会えば、
あったかいですねぇ、春みたいだね。2月なのにね〜と挨拶する陽気。
今日は青梅にある家具工房へ行った。
あたたかすぎて車の窓を開けた。
梅も咲いた。
途中お葬式帰りらしき数人の老人とすれ違う。
青梅の緑がかった風景の中に印象的に喪服の黒が点々としていた。
工房のオーナーはすばらしく親切な人で
忙しいだろうにいろいろと説明をしてくれた。
たくさんの種類のかんなにときめく。
いい匂いの木をキュイーン!とカットして木片をくれた。
それは楠の木で、
メンタムみたいな、衣替えの時に嗅ぐ樟脳みたいな匂いだった。
帰りしなにおいしいコーヒーを飲んで、
喫茶店の下の池をカッパがいそうだとはしゃぎながらぐるりと一回りし、
最後にホームセンターでユーカリの木を買った。
これはベランダに置く用。
ユーカリもうっすら遠くで樟脳みたいな匂いがした。
樟脳の匂いの日曜日。
2009.02.08









